横浜地方裁判所 昭和53年(わ)19号 判決 1978年7月11日
宣告の日
昭和五三年七月一一日
裁判所
横浜地方裁判所第五刑事部九係
裁判官
上田耕生
検察官
菊池善十郎
罪名
法人税法違反
被告人
一 商号
有限会社 徳川観光
代表者
代表取締役 宮武彰
本店所在地
川崎市川崎区堀之内町一一番地六
代表者住居
東京都世田谷区赤堤二丁目六番八号
二 本籍
東京都千代田区紺屋町二七番地
住居
右同所
職業
機械工具販売業
神崎孝一
大正一三年四月三〇日生
主文
被告人有限会社徳川観光を罰金八五〇万円に、被告人神崎孝一を懲役八月に処する。
被告人神崎孝一に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。
訴訟費用は全部被告人両名の連帯負担とする。
事実
被告会社は、川崎市川崎区堀之内町一一番地六に本店を置き、個室付浴場の経営等を営業目的とする資本金三〇〇万円の有限会社、被告人は、被告会社の取締役であり実質上は同会社の経営者としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、入浴料等収入の一部を除外して簿外預金及び貸付信託を設定するなどの方法により所得を秘匿し、
第一 昭和四八年一二月一日から同四九年一一月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が三二、七七五、八七四円あったのにかかわらず、同五〇年一月二九日川崎市川崎区榎町三番一八号所在の所轄川崎税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一、七九一、〇二五円で、これに対する法人法額が五〇一、四〇〇円である旨虚偽の事実を記載した法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同会社の右事業年度の正規の法人税額一二、三九〇、〇〇〇円と右申告税額との差額一一、八八八、六〇〇円を免れ、
第二 昭和四九年一二月一日から同五〇年一一月三〇日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が三二、六四九、九四二円あったのにかかわらず、同五一年一月二二日前記川崎南税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一、四五六、四六〇円で、これに対する法人税額が四〇七、六〇〇円である旨虚偽の事実を記載した法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同会社の右事業年度の正規の法人税額一二、二一九、六〇〇円と右申告税額との差額一一、八一二、〇〇〇円を免れ、
第三 昭和五〇年一二月一日から同五一年一一月三〇第までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が三六、五〇四、〇二三円あったのにかかわらず、同五二年一月二五日前記川崎南税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一、九二六、八一六円で、これに対する法人税額が五三九、二〇〇円である旨虚偽の事実を記載した法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同会社の右事業年度の正規の法人税額一三、七六一、六〇〇円と右申告税額との差額一三、二二二、四〇〇円を免れ、
たものである。
(適条)
被告人有限会社徳川観光について、法人税法一六四条一項、一五九条一項
被告人神崎孝一について、法人税法一五九条一項(懲役刑選択)刑法二五条一項
被告人両名について、刑法四五条前段、四八条二項、四七条本文、一〇条、刑事訴訟法一八一条一項本文、一八二条
裁判所書記官 杉山泰彦
(裁判官 上田耕生)